食堂黒猫ブログ

沖縄県首里にありますメルボルンカフェ「食堂黒猫」のブログです。新メニューのこと、プロダクトのこと、日々の思いを綴っていきます。

Chef’s special 第9弾、正に食べる立体アート!その名も「新たな一歩」。明るさと前向きな気持ちを呼び起こすそんな料理を手がけました![後編]

こんにちは! 沖縄県首里にあります、「食堂黒猫」です。

 

シェフズスペシャル、

回を増す毎にその作品スケールが増してしまい、

記事を前編・後編に分けて綴らせて頂いております!

 

さて、カモミールポークステーキが

どんな作品になっていったのか、

早速後編をお届けします!

 

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仕込んだ食材同士を組み立てるようにして作る、

当店の立体的で独創的な料理。

 

それは、当店のシェフ サキが作品作りで

とても大切にしている部分なんです。

 

料理に躍動感を持たせ、迫り来るような、

或いは中に入り込めるような気持ちを

呼び起こせる構造にすること。

そして、一気にお客様の期待を高め、

作品への興味を最大限に高める為の技術を

日々探究し表現しています。

 

見た目だけでは無く、味のマッチング、

捻りを効かせた味の付け方、食感や質感、色、

その全てを徹底的に考え抜き、

試作や試行錯誤を重ね一つの作品に仕上げています。
(構想に3、4ヶ月。試作に1ヶ月かけて作品を作っています)

 

では、それぞれどんな秘密が隠されているのか!?

一緒に解明していきましょう‼︎

 

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断面美が目を惹くコールスローテリーヌで、

『タラゴン』と 『ポーク』の黄金マリアージュを是非 !

 

ポークとハーブのタラゴンは世界的に

愛される組み合わせの一つとされています。

 

合わせ方は様々。


この作品では、

タラゴンの持つアニスの華やかな風味と甘みを

爽やかな風合いで楽しんで頂きたく。

タラゴンと野菜たっぷりのコールスローを、

テリーヌ仕立てにしてポークに合わせいます!

 

野菜はそれぞれ蒸し時間が異なる為、

個別に調理するところから始めます!

 

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生と蒸した野菜を、

タラゴンベースで酸味を効かせた

自家製ハーブ液と混ぜます。

 

それをソーセージ状に仕立て、

一晩冷やし固めた物を翌日切り分け、

断面も側面も美しいテリーヌの完成!

 

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あえて、

ナイフを入れると簡単に崩れるように

仕立ててあるので、

中から色んな野菜がゴロゴロ出てくる!!

 

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宝箱を開けた時のような発見に似た驚きと、

お野菜の豊富さにも2度びっくりできる♪

洗礼されたタラゴンコールスローは、

ポークと一緒に食べると、

より一皿を楽しませてくれます!


『プチ、シャク』食感が全体のバランス役!

見た目も明るい枝豆ともちきびのハーブサラダ

 

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サイズを、あえてバラバラにカットした枝豆の、

シャク♪シャク♪とした食感と

プチプチモチモチのキビを合わせたサラダ。

 

レモン、バジル、ディル、パセリなどの

明るい風味のハーブを

ふんだんに効かせた爽やかなサラダ。


見た目以上に色んな風味や食感の広がりを

感じられるこのサラダは、

一皿全体にメリハリをくれる名脇役なんです!

 

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繊細なデコレーションが目を惹くケークサレ!

 

「料理ってただ美味しいだけじゃない!」

「こんなに楽しめるものなんだ!」

を皆さんに体感頂く為の工夫や思考を随所に凝らせています!

 

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粒マスタードとターメリックの惣菜生地に、

人参とりんごをたっぷり練り込み焼き上げたケークサレ。

(ポークと合わせて召し上がって頂くパンのような役割)

 

ポークにりんごやマスタードを合わせるのも、

王道と言える組み合わせ♪

 

試作を重ねて導き出した、

絶妙なサイズにカットした林檎と細かく擦った人参を

粉と同量近く加えているので、

しっとり風味豊かに仕上がっています。

 

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人参と林檎の芳醇な香りと甘みに、

粒マスタードの酸味がキュッと味わいを

引き締めてくれる!


そこにターメリックが合わさると、

香りはより甘い深みを増し全体の風味の角を

丸くしながら調和させてくれる、

そんな繋ぎ役を果たしています。


ほうれん草とメープルのソース、

林檎ピクルスのデコレーションで、

最大限に魅力を放つご褒美惣菜ケークサレに!

 

シェフズスペシャルらしいどこまでも繊細な仕事は続きます。

 

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最後にトップを飾るのは、

ケークサレ単体でも唯一無二の一品する、

丁寧な細工とマリアージュの思考も

こらせたデコレーション。

 

グリーンが映えるソースは、

ほうれん草、アーモンド、メープルで仕立てた

クリーム状のソース。

 

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林檎に合うレシピを作り、

自家製の蜂蜜酢で漬けた林檎を

シガー状(葉巻)にしたもの。


蒸したトマトは驚く程味が濃い。

 

フレッシュ感も感じられる食感が出るように、

それぞれのトマトの色の違いで

蒸し時間を調整して調理してあります。

 

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ピンセットで、これを一つづつ丁寧に剥いていく。


(シェフはたった一人。

情熱と忍耐、

そして今までの泥臭い修行の日々を無駄にしたくない!

それらの思いがエネルギーなんです)

 

ピクルスはお口直しやメリハリ役。

ほうれん草クリームの慈悲深い優しい甘さは、

土台のケークサレ、林檎シガーやトマトの味を引き立てながら

上手くまとめるバインダー(繋ぎ役)となっています。

 

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『成長や伸び』を表現した純白のクラッカー。

どこかへ続いて行くような、

自家製マンゴーマスタードソースのドット。

 

カモミールで心穏やかに、

味の想像がつかない仕立ての付け合わせで驚きを誘い、

明るく爽やかな風味の構成と柔和な色の組み合わせは、

この一皿を食しながら、

皆様に軽やかで前向きな一歩を

踏み出せるような明るい気持ちを呼び起せる、

一皿になればと思い手がけました。

 

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このように、細部にまで思考を凝らせ、

繊細で緻密な仕事を何層にも重ねて

食堂黒猫の創作料理はできています。

 

この全ては、お客様にとって、

食堂黒猫での食体験が最高のエンターテイメントで

あれる事を目指しているから。

 

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レストランでは無く、

カフェで驚きと感動を呼び起こす、

そんな料理をシェフが個性を

活かして手がけ届ける事こそが。

 

まさにメルボルン現地の人々が、

日々体感している『食を楽しむ』というカフェ文化を、

シェアする、という事そのものだと思っています。

 

そして、楽しんで頂けるモノを

作る事に妥協を許さないのも、

メルボルンのシェフやバリスタの

大切な姿勢で仕事そのものなんです。

 

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作品毎に込められる思いは深いです。


料理哲学、クリエイティビティ、

オリジナリティやメルボルン文化その全てを、

持てる力で届けられるよう、

私達は日々試行錯誤しながら

全身全霊でメルボルンを表現し、

伝えられるサービスを徹底しています。

 

記念すべき60作品目 『新たな一歩』皆さまに楽しんで頂けたら本望です!!

 

 

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