食堂黒猫 今だからこその決断と未来への挑戦!! 【完全予約制、お任せコース料理『メルボルンデガステーション』が実現するまで編 【ブログ前編】
大変ご無沙汰しております!その理由は皆さんおわかり!
とても大変な年となった2020年。
飲食業界は知恵を絞り、迅速にオペレーションを変化させながら切り抜ける日々。
問われているのは『柔軟』な考え方とパフォーマンスだと感じました
黒猫は『第1波』の影響が濃くなった4月、メニューをテイクアウト・イートン兼用へと、思い切って一からデザインし直し、切り替えました。
資材準備、料理の仕入れ、仕込み、メニューの書き替えなど。 2日合わせても数時間しか睡眠を取ら無い中。全ての準備を整え、その時の状況に合わせた料理とサービスへと迅速なシフトチェンジを図りました。
外出・外食の制限を強いられる中。
それでもテイクアウトを、全力でお届けする事を通して。
お客様がこの状況下で、楽しみにできる事になったり、張り詰めた緊張を緩和させる事が『食』にはできる!食はどんな状況下でもエンターテーメントになりうり、普遍の喜びの一つと言えると。
テイクアウトを胸に抱えるようにして、笑顔でお店を後にされる姿を見て、私のシェフ魂に熱く火が灯され、この後大きな決断をする事となりました。
最初の【緊急事態宣言】。
この時期より人々の動きは一層制限され、お店もテイクアウトのみとなった時期。
引き渡しは屋外(ドライブスルー形式)となり、お客様を目の前にしない、『無観客料理』と言いましょうか。。ライブで料理をしてきた私としましては、そんな感覚を覚える、不思議な料理の時期を過しました。
規制が緩和される度に、馴染みの方々やテイクアウトで出会ったご常連様がお店に足を運んで下さる。
もっと、『喜ばせたい』もっと情熱的な料理を。 もっと熱く、『届けたい』。
心からそう思うようになっていきました。
メルボルンで、皿洗いから始まった下積み時代。料理をさせて欲しくて。フライパンを握りたくて。
必死に勉強し、掛け持ちしながら、休みなんて全く無く。
料理にしがみつき、結果13件のレストランや有名カフェを渡り歩き、実際に厨房に立ち、オリジナルの創作も手がけながら料理を全力で追いかけて来ました。
全てを無駄にしたく無い。15年のシェフ人生をかけて、ここで全部をぶつけて料理をしたい。
黒猫開店以来、6年余りで70作品程の創作料理を、一からレシピを起こし届けて来ました。
『実績』は積んで来たと思う。
「夜はやらないの?」「ワインと一緒に、食べたくなる」。
そんな風に言って頂く事が、珍しく無くなっていました。
私自身、全力のお料理を美味しいお酒とともに、とことん食を楽しんで頂きたい。
妥協の無い料理を手描ける為の時間を確保し、シェフ一人、焙煎士でありバリスタの夫と二人で、丁寧にコース料理をお届けできる人数にかぎりはある。
けれど、少人数の完全予約制とさせて頂く事は、『安全と安心』を感じて頂きながら素晴らしい食体験を頂く事に繋がり、今の時代にあった提供サービスであると言えるはず。
経験や実績、お客様のお声、時代の風潮、シェフの情熱。
ここで、『決断』しない理由がむしろ無い。そう思いました。
コロナで飲食業界が厳しいなか、これは黒猫にとって未来への可能性の一つになるかもしれない。
挑戦しなければ、『あの時挑戦していれば』。と心残りが生まれてしまうだろう。
どんな結果になろうとも、全力で挑んだ結果なら。どんな結果でも、真っ直ぐ受け止められる。
今までと同じです。『悔いのない仕事がしたい』『料理を諦めたく無い』そう思いました。
黒猫が腹を括る時が来ました。
昼はカフェ事業、そして夜は、レストラン事業/お任せコース料理一本!
コース料理を召し上がって頂くに相応しい内装へと、リフォームする事は必然であると感じ。
コロナ感染対策防止事業として成り立つこの新事業で、企画書を立ち上げ。全力で小規模事業の存続を掛け助成金の申請にも挑みました。
私達にとって、奇跡とチャンスに直面しながら、全く立ち止まる暇のない日々でした。
新事業の立ち上げが叶う事となり。内装の改装に読谷のindigoさん、事業全体の監督とウェブサイトの改良に4tracksの菊池さん、夫のクリスが企画代表となり足踏みする暇無く、企画会議とミーティングを重ねて下さりました。
季節は8月になっていました。
6品からなるコース料理の創作は7月から全体像の構想練りに1ヶ月かけ。
各料理の細かな掘り下げ、マリアージュの詳細決めやお皿のイメージなどに更に1ヶ月。
確かなイメージのもと試作に入らなければ、創作は『迷子』になってしまいます。
試作で失敗したり、壁にぶつかる事は避けられないのですが、どこを目指しているのか分からない試作では。完成度も、料理に宿せる『メッセージ』の強さも大きく変わって来ると感じています。
創作は試作前から、果てしない時間をかけ、自分の料理の答えを実直に導き出す努力をします。
8月下旬より、試作開始と同時に、たたき台レシピ作りと試作からのデータ取り。書ききれないので試作中に、状態の記録と改善策を動画を録画したのものが何本もあります。
その作業に更に2ヶ月以上費やしました。
試作段階から『匙』、『1グラム以下から正確にg計量』『ml』で徹底してメモを取り続けてきました。
実際のスタート・ご提供にこぎつけるまで。
創作料理の道は本当に果てしなく、信じられない時間、実際に手を動かして悩み、考え続けてきました。
答えが出るまで、立ち止まらず手を動かし続け、考えられる全てをやってきた丸4ヶ月。
(営業後、深夜まで試作し、休みは全て試作に当てた4ヶ月間でした)
レシピだけでなく、盛り付けも何度も、何日にも渡り確認作業をしてきました。
手元には40ページにも及ぶレシピの束。
何度も迷い、悩み、失敗し、考え、改良し、答えの無いところから答えを生み出す作業をして来た証です。
自分でもどうしてこんなに集中できるようになったのかな。。と驚くほど、料理に一心に打ち込んだ4ヶ月間。料理で必死に生き抜こう、そしてそれを信じたい。と、あがき上げた時間だったとも思います。
正に料理魂で、これからの黒猫の未来とお客様の為に手掛けたコース料理です。
メルボルンで8年、13件のレストランや有名カフェの厨房で修行し。
現地の人が通う、厳しい事で有名な調理師専門学校に通い、学校でも職場でも、日本人と出会う事はほとんど無い環境の中で洋食の全てを現地の現場で学んできました。
日本人でありながら、メルボルンシェフとして育ったと思います。
様々な人種の集う厨房で、様々な価値観と食材に触れ料理をしてきました。
メルボルンで全力をぶつけて、働いた最後の職場は、ベストフードカフェの賞を受賞し、独立の決意へと導かれ、黒猫が誕生しました。
料理人生15年目にして、オリジナルのコース料理へと腕を振るう大舞台へ、今は全身全霊で挑んでいます。
純粋に、
『料理には夢があるということ』
『料理でこんなにも食しながら驚き、熱くなれるということ』
『料理は、素晴らしい体感型の芸術として、エンターテイメントになりうるということ』
これらが込められている、共有したいメッセージです。
どんな時も、それは普遍的な素晴らしいモノであり、喜ばれるものだと信じ魂を込めて『芸術的食』を形にしました。
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ここまでが、食堂黒猫が 6品からなる、お任せコース料理『メルボルンデガステーション』を実現しようと、決意し完成に至るまでの道のりです。
【後編】では、リニューアル後の内装、料理の内容。11月から実際に提供を開始し、今に至るまで。
お客様から頂いく様々な喜びと、あたたかなシーンなども綴らせて頂けたらと思います。
夜の黒猫がスタートするまでのその道のりは、あまりに壮大だった為、
一つの記事では語りつくせません‼︎
『伝える・共有する場』であるこのブログでは、
しっかりお伝えしたい為、
記事を二つに分けてアップさせて頂きますね。
本日2020年12月31日!
皆様良いお年をお迎えください!
新しい年を、今まで以上の、美味しいワクワクの笑顔で皆様と潤って行ける年にできるよう。
精進し、創作に花を咲かせて行きます!
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⚫︎2021年、1月
【お昼の営業】
1月7日(木曜日)より営業スタート
【夜の予約制メルボルンコース料理の営業】
2021年、最初にご予約可能な週の席は
1月8日(金)、9日(土)、10日(日)の週です
※以降、同じく金・土・日曜日の夜ご予約頂けます
※ ※ ※ ※ 営業の基本情報 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
【お昼の営業日】
木・金・土・日曜日(昼週4日営業)
⚫︎営業時間
◇イートイン 11:00~16:00 (LO15:30)*15歳以上のお客様のみ
◇テイクアウト(ご注文はお電話で)11:00~17:00(LO16:30)
【夜、完全予約制コース料理の営業日】
毎週、金・土・日曜日の19時 ~のお席※15歳以上のお客様
完全予約制 / 『おまかせ6品のメルボルンコース料理』お一人様 9,000円(税込)お飲み物代別途
※御来店予定日の一週間前にご予約ください
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