今、わたしたちが大切にしたいこと
レギュラーメニューを改訂して約2カ月が経ちました
「食堂黒猫」のメニューはすべて創作料理。
3品のレギュラーメニューに加え、季節ごとに変わる、
シェフスペシャル1品の合計4品をメインとした構成。
今年の7月、創作のためのお休みをいただき、
レギュラーメニュー3品を、一度に改訂いたしました。
前のレギュラーメニューも
ご好評いただいていた中での改訂は、
メルボルンで培った
「料理で新たな驚きや発見を伝える」という
使命感から来たもの。
「飽きられてきたから変える」ではなく、
「お客様をさらに喜ばせ、驚かせたい」という
シェフ魂(!)に突き動かされてのことでした。
新しいメニューに喜んでくださる皆さまからの学び
飲食店ですから、
お料理の味に満足していただくというのは
ぜったいのぜったい!必ず守るべき提供価値。
でも、料理に全身全霊をかけ、それを提供し始めて
お客様からいただいたお言葉や、
お食事の様子を見ていて感じた「手応え」は、
実は今までと少し違うものでした。
「告知を見て、食べるのを楽しみにしていたんだ」
「二人でお休みの日に行こうねって約束してたんです」
「仕事がんばったんでご褒美です」
「みんなで思いきり美味しいもの食べる会です!」
みなさんの喜びは、
食べている瞬間だけにあるわけじゃない。
お店に行ってみようと考え、
楽しみにしてくださった時から、
「いい時間を過ごせたよ!また来るね」と
店を出る時まで。
あるいは、「また行きたいなぁ」と
お帰りになってから数日たった時まで。
(そうであったら最高です)
そこまでの時間すべてが、
「お客様と『食堂黒猫』とで共有する喜び」
なのだなと、学ばせていただいています。
お客様に完成していただく食体験
お料理を音楽に例えたら、
聞いてくださる人がいなければそれはただの「音源」。
楽しんでくださる方がいるから初めて「音楽」になる。
そしてその楽しみかたは人それぞれ。
大切な誰かと分かち合う、特別な時間。
ひとりでじっくり味わう、自分のためだけの時間。
仲間と賑やかに楽しむ、かけがえのない時間。
店の入り口へ階段を上ってくる時の笑い声。
キッチンに聞こえてくる「おいしい!」の声。
(あとシャッター音も!励みになります・笑)
帰り際にかけてくださる一声、感想。
わたしたちが目指す「完成形」はそこにあるのだと、
強くと強く感じています。
「メルボルンスタイルってどういうことですか?」
とおたずねいただくことがたくさんあります。
もちろん、技術の文脈で語ることもできます。
背景のカルチャーから語ることもできます。
色々な言葉を使ってご説明するのですが、
ごくごくシンプルに言うならば、
みんなが一回の食事をとても楽しみにして、
実際にその時間を心から楽しむ、その喜びを、
最大限引き出すための食体験が在ること。
海を越えてこの沖縄にやってきて、
たくさんのみなさんとお店の外から中まで
関わりを持っていただけたことで、
わたしたちも新たな気づき、
新たな確信をいただいています。
これからも、ぜひ一緒に。
みんなにとって「最高に楽しい食体験」を
ともに創っていただければ幸いです。
台風が続き、お客様の安全のため、
臨時休業などの判断をしなければならない日々。
でもこれを読んでくださっている皆さまと
またお店でお会いできるのを、
今日も楽しみにしています。
それでは、また、近いうちに。
食堂黒猫